笑顔をください 45

back  next  top  Novels


 心の中のざわめきがおさまらない。
 不安定な思いが志央の頭の中をうようよと蠢く。
 そうだ、茶なんか飲んで落ち着いてる場合じゃない。
 キス! 写真! 早いとこ、幸也に勝利宣言して、賭けなんか終わらせよう。
 賭けなんかしてるから、落ち着かないんだ。
「志央さん?」
「あ、ああ、そう…だ、これ、入れるか?」
 志央はそそくさと立ち上がってサイドボードからブランデーのビンを持ってくる。
「わっ、そんなに…」
 七海が頷くのも待たず、お茶の中にとぽとぽとブランデーを注ぐ。
「へーきへーき、こんくらい。でかいくせに」
 ハーブティなのに、ブランデーのハーブ割りのようだ。
 カップを持ったまま、目を見開いてじっと見つめる七海の勢いに、志央はちょっとたじろぐ。
「くもっちゃったな」
 おもむろにメガネをはずして弄びながら、きれいな顔で七海の顔を覗き込む。
「これ、実はダテなんだ。視力はいい方。でもほら、生徒会長だし、頭よさそうに見せないとなめられそうだからな」
「そんなメガネなんかなくても、頭よく見えます。カッコイイです。でもメガネも似合うけど、その、ない方がすんげぇ、きれいだー」


back  next  top  Novels

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ