笑顔をください 62

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 志央の目から涙が零れるのを見て、幸也は戸惑い、その場に立ち尽くす。
「頼むから……」
 幸也はもうそれに逆らう術を持たなかった。
 志央を残し、静かに生徒会室を出て行った。
「ほんと、サイテー…」
 自業自得だ。
 志央は無闇に髪を?き揚げる。
 自分に対する憤りがおさまらない。
 こんなに好きだったんだ、俺。
 七海が………。
 そうだ、美央のこと、忘れるくらい……。
 七海とならずっと一緒に生きていけるような気がしたのに。
 心に、ザックリ穴が空いている。
 もう、美央も、七海までが手の届かないところに行ってしまった。
 もう……生きていたくない。
 歩きたくない――。
 


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