笑顔をください 63

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 バイクを走らせながら志央の残像を振り切ろうとするが、普段クールな生徒会長のはずの志央が見せた笑顔が七海の頭の中から消えてくれない。
 何もかもが嘘っぱちだった……
 キスも嘘っぱちだった。
 笑顔も……。
 ハ…、やっぱ俺みたいのにあの人が本気で近づくわけ、ないか…
 ちょっと考えれば納得してしまえるけど。
 なんか、今回、俺、相当こたえたな…。
 天使のラッパがマジ聞こえた気がしたんだ。
 あの時、窓から顔を見せていたあの人を見た時。
 絡まれてた俺を助けてくれた時は、心臓が飛び上がりそうに鳴った。
 まさか、あの人から声をかけてくれるなんて。
 もう目を離せなくなっていた。
 使いっ走りでも、下僕でも、何でもよかったんだ。
 もう、あの人のそばにいられれば。
 でもだんだんそれだけじゃ足りなくなって、あの人のことが欲しくなってた。
 欲張りすぎた。
 俺のことを好きになってくれるなんて、初めから思ってやしなかったさ。


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