笑顔をください 70

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 勝浩はそこにいない志央と幸也に対してブツブツ文句を言いながら、ノートパソコンを立ち上げ、総会のための決算報告書の入っているファイルを開けたが、志央たちがこないのではサインももらえない。
 暗くなってきたし、仕方なく帰ろうと生徒会室を出たところで、勝浩は誰かに腕をとられた。
「え、誰…」
 また生徒会室のドアを開かれ、勝浩は何人もの手によって中へと引き擦り込まれた。
 その頃、うす闇が迫りつつある中、二年A組の教室で適当にレポートをやり終え、ぼうっと窓からグラウンドを見ていた七海は、ふと足早に体育館に向かう二人組に気づいた。
 志央と幸也だ。
 志央さん……
 またぞろ苦いものが胸をよぎる。
 やっぱ、あの二人最初からデキてたんだな。
 それでも志央から目を離せないのが悲しい。
 二度と行きたくないと思っていた生徒会室だが、勝浩の仕事がまだ終わらないかと、足を向けた。
 だがドアの前に立ち、ノックをしても返事がない。
 ドアを開けようとすると鍵がかかっている。
「あれ、帰っちゃったのか? 堺」
 ポツリと口にした、その時だ。
「いやだーっ!! 助けて! 離せえ~っ!!」


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