笑顔をください 76

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 志央の心のうちなどおかまいなく、創立記念日はすぐにやってきた。
 そしてつつがなくというわけにいかずハプニングが続出した。
 フランスにある姉妹校の理事長や隆雲大学医学部学長のドイツ人教授を迎えた式典で、女生徒が贈呈する予定の花束が、当日の朝届いたはずなのに、ぐちゃぐちゃになっていると志央の下に報せが入った。
 花束が置いてあった体育館の控え室には、誰でも入ろうと思えば入ることができる。
 明らかに誰かが故意にやったことだ。
 すぐに街の花屋に手配してそれは事なきを得たのだが。
「岡野さおりが休み? どういうことです、それ」
 あたふた駆けつけてきた岡野の担任を前に、志央はつい声を上げる。
 校内で音大を目指している生徒三人が演奏を予定していた。
 バイオリン一人、ピアノ二人。
 そのうち最後にピアノ演奏を予定していた女生徒が、駅の階段で怪我をして病院にいるらしいと、演奏直前に判明した。
 しかも誰かに背中を押されたと本人から担任へ連絡が入ったのだ。
「クッソ、絶対やつらがやったに違いない。ここまで来ると犯罪も、殺人未遂だぞ!」
 幸也が舌打ちする。
 控え室に、花束を取り巻いて四人が緊急に集まっていた。
「堺が襲われた件から、敵は生徒会にターゲットを移してきたのでは、と用心していたんですが」
 西本も悔しそうに頷く。
「やっぱり幸也の面が割れたな」


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