笑顔をください 77

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 大山も忌々しげに呟く。
「昨日入った情報で気になることが……」
 西本がおもむろにネタ帖でもある自分の携帯を取り出し、集めた情報を画面に開いていく。
「近藤の入院先の病院に現れたといううちの制服の生徒が、あの三人組と、それに人相風体からラグビー部の桜庭ではないかと……」
「何で桜庭が?」
 驚いて志央は聞き返す。
「しかも、病院前から彼らが乗り込んだセダンにもう一人、運転手のほかに長身のガクランが乗っていたらしいんですが、それ以上は特定できなくて」
「クッソー!」
 幸也が地団太を踏むように言い放つ。
 控え室を出ると、岡野さゆりのクラス担任は青い顔でうろたえていた。
 プログラムはもう既にバイオリンの演奏に入っている。
「どーすんだよ、代わり探すったって……」
 志央は用意されたプログラムを睨みつけながらさすがに思案に暮れる。
「お前が弾けば? ピアノやってただろ?」
 幸也が面倒臭そうに志央を促す。
「小学生の時な。発表会で、俺のポケットから飛び出したかえるが演奏してたやつのピアノに乗っかって大騒ぎになったんで、先生が俺にもう来なくていい、ってんでやめたよ」
 志央は肩を竦める。
「ああ、それ! お前が発表会滅茶苦茶にしたってやつ? お前って昔っからいじめっ子だったもんな」


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