笑顔をください 8

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 二年生の堺勝浩は、現在生徒会会計を務めている。
 実は昨年の夏休み、東京ディズニーランド近くのホテルで、志央も幸也もそれぞれ女の子と一緒に部屋に入ろうとして、よりによって家族と一緒に宿泊していた堺と出くわしてしまったのだ。
 口止めに懐柔しようと近づいた幸也は勝浩に思い切り非難された。
 だからといって責任感の強い勝浩は生徒会を中傷したりやめたりはせず、今日も放課後には生徒会室に顔を出すだろう。
「いいじゃんか、ムサい男がのさばっている学園の中では、女の子より可愛いって評判だぞ。次期生徒会長有力候補者だし」
 堺、いいとこにきてくれたじゃん。幸也のやつ、落とせるもんなら落としてみなって。
 渋々頷く幸也を見て、志央はにんまりとほくそえむ。
 役員は他に書記を務める二年の松永雄一がいるが、外部受験で入ってきた優等生の勝浩とは違って、ずっと陵雲学園で過ごしてきた彼は、部活のテニスを優先させ、何かがある時でなければ生徒会室にも現れない。
 その時、生徒会室の窓から真正面に見える校門から一台のバイクが入ってきた。
 エンジンの音が止み、男が降り立つのが見える。
 かなり距離はあるにもかかわらず、威圧感さえ窺える。
 頭は五部刈り、ガクランを着ているのが不思議に思えるほどはっきりくっきりわかる大男。
 バイクを校門のそばに止めたその男は、まっすぐ生徒会室の真下にある本校舎の中央玄関に向かってやってくる。


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