笑顔をください 81

back  next  top  Novels


 それは生徒会にも飛び火した。
 七海が廊下でいつものごとく、マンガかなんかを読みながら勝浩を待っていると、そこまで女の子がやってくるのだ。
「すんげー人気者になっちまったな。七海のやつ。堺も大変だな」
 志央が勝浩を揶揄する。
「なーにが、さんざんお人よしの七海のこと、都合よくあしらってたくせに、今さら何言ったって遅いですよ。あなたみたいな汚い人に、あんな純粋な七海が合うわけがないんだから」
「堺くん。君こそ可愛い顔をして、言ってくれるね」
 何気に口にした勝浩の言葉は、クールに言い返したかに見える志央の心臓をぐさりと直撃する。
「ったく、うるさいっ!」
 きゃらきゃら聞こえる女の子の声に、イライラしながら志央は立ち上がり、ドアを勢いよく開け放つ。
「ここは生徒会室だ。用がないなら帰れ!」
 さすがに女の子たちも志央の怒りに首を竦め、すごすごと退散する。
「お前も、」と今度は七海に向かう。
「入って待っていればいいだろう? 忠実な姫君のナイトのおかげでここんとこうるさくて仕方がない」
「…すみません…」
 表情も変えずに謝罪の言葉を口にすると、「勝浩、俺、図書館にいるから。携帯で連絡くれ」と七海は中にいる勝浩に声をかける。
「OK、七海、わかった」
 志央に頭を下げ、七海は生徒会室を後にした。
 仲の良さを見せつけるような二人のやりとり。
 しかもいつの間にか、七海、勝浩と呼び合っている。


back  next  top  Novels

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ