笑顔をください 82

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 体の奥から湧き上がってくる凄まじいくらいの嫉妬を、志央はどうすることもできない。
 あたりまえか。
 俺は七海を騙した悪党で、そんなやつに俺だって遠慮するわけはない。
 自嘲しつつ、次の面倒な行事をこなすべく、志央はノートパソコンに向かう。
「城島さん、総会の資料の印刷、明日中に終えますから、あさっては製本にかかれます」
 勝浩は自分のノートパソコンから、プリントアウトし始めている。
「明日中といっても、俺と幸也は明日はY高校で生徒会交流会があるし、できないぞ」
「大丈夫です。七海が手伝ってくれることになってますから」
 何だか勝ち誇ったような言い方だ。
「へえ…印刷室で二人きりで? ちゃんと仕事できるのか?」
「城島さんたちと一緒にしないで下さい。あんなとこで何するって言うんです?」
 からかう志央に勝浩はしっかり切り返す。
 可愛い顔をして勝気な勝浩は、傍らで苦笑いする幸也にジロリと一瞥をくれると、プリンターから打ち出された資料を持ってきてそろえ始めた。
「おい、志央」
 唐突に幸也の緊迫した声。
「どうした?」
 幸也は作業していたノートパソコンを黙って顎で示す。
 何気なく覗き込んだ志央も、その文面を見て表情を強張らせた。


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