笑顔をください 84

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  ACT 4
 
 様々な問題を抱えたまま、二日後、陵雲学園では次期生徒会役員選挙が行われた。
 もともと今期生徒会に置いても、華やかな会長と副会長の傍らで際立って目立つというわけではないものの、二年生ではありながら例え相手が三年生であろうと言うべきことは言う、するべきことはするという真面目な存在感があった堺勝浩だが、創立祭の前あたりから七海とセットで一気に注目を浴びたこともあったのか、対抗出馬もなく、勝浩がすんなり次期生徒会長に決まった。
 さらに今期から二人制をとることになった副会長には、二期目の松永と、現生徒会がかなり強引に七海に押しつけ、七海も了承した。
 ほかの役員は生徒会長の推薦によって決定することになっている。
 それから五日後には、生徒総会の日を迎えた。
 志央ら四人はここ数日桜庭の情報収集に走っていたが、そちらは何の進展もなかった。
 午後の授業時間が当てられた生徒総会は講堂に全校生徒を集めて行われ、議題も尽きて閉会間際、志央がマイクの前に立った。
「先ごろ、学園内でイジメや暴力が横行しているという不穏な噂を聴いています。先生方も既にご存知と思われますが」
 閉会の挨拶と思いきや、いきなりの質問に教師たちはたじろぎ、講堂にざわめきが走る。
 志央からそんな発言があることを事前に知らされていない幸也や七海、勝浩も落ち着かない。
 勝浩の事件は、あの日騒ぎを聞いて駆けつけた教師たちも知っているはずだが、勝浩にさしたる怪我がなかったのをいいことに、掴まった一人の生徒を退学処分にすることが教員会議で内々に決まっただけで、以来教師側からは何の音沙汰もなかった。


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