笑顔をください 91

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 幸也は勝浩たちに指示してすぐ、大山と西本を携帯で呼び出し、志央が消えた旨も伝えると、自分は西棟に向かいながら、屋上まで駆け上がる。
 だが人の気配がないのを見届けると、階段をまた走り降りた。
 東棟を駆け回っていた七海は、桜庭を探しながら、幾度か志央の携帯に連絡を入れるが、どれだけコールしても出ない。
 胸騒ぎが走る。
 どこだ? どこにいるんだ? 志央さん、返事してくれ!
 祈るような思いで必死に心の中で志央を呼ぶ。
『山に入っちまったら、俺たちだけじゃ手におえない』
 裏庭から裏山への入り口を探している大山と西本から幸也に連絡が入る。
「わかった。とりあえず、学内、探せ」
 階段を駆け下りる途中、また携帯がなる。
『本校舎探してますがいません。そっちは?』
 勝浩だ。
「いない。あとは体育館か、ホールの屋根とか…」
 東棟を飛び出し、グラウンドから校舎を見回し、本校舎の時計塔に目をやった七海は動きを止める。
 時計の針の近くに人影が見えた気がした。
「勝浩! 時計塔に誰かいる! 桜庭かも知れない!」
 七海は走りながら勝浩に携帯で知らせ、すぐさま本校舎に飛び込んだ。
 このあたりは志央に丁寧に説明をしてもらったところだ。


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