いつか逢えたら 10

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 しおらしそうに言う志央の横で、幸也が肩を竦める。
「でも、こいつら、外に出したりしたら、それこそ公衆道徳上よくないと思いまっせ」
 カーッとなった勝浩は、思わず、バンッ! と机を叩いて立ち上がる。
「わかりました! 勝手にやってください。俺が出て行きます」
「あ、おい、別に勝浩会長を追い出そうなんて気はさらさらないんだけど」
 弁当を仕舞い始めると、幸也がさも慌てたように、言いつくろう。
 んなこと言ったって、ミエミエなんだよっ!
 勝浩は思い切りよくドアを閉めて、生徒会室を出ると、そのまま教室に向かう。
 全く! あの連中と来た日には!
 悪ふざけにもほどがある。
 七海まで一緒になって!
 二年生棟への渡り廊下に差し掛かると、窓の手すりに体を寄せて、フウッとため息を吐く。
 中庭の葉を落とした木々が寒そうに風に揺れている。
 そう、あの人に再会したのも、こんな日だったな――――――
 

 
 勝浩が中学二年の秋に、父親の栄転で堺一家は東京に戻ってきたのだが、勝浩は家から近い陵雲学園中学に入るのを拒み、遠くの公立中学に転入した。
 だが、なんとなく馴染むことができず、一人孤立していた。


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