いつか逢えたら 4

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 『昨年、一昨年とダントツで生徒会長城島志央、副会長の長谷川幸也が一位、二位を独占したが、今年の注目は堺勝浩現生徒会長が城島志央から首位を奪うか否かである。何しろ堺会長の人気は夏以来うなぎ上りだ。城島や長谷川が昨年同様上位をキープするだろうという根強いファンからの意見もあるが、何といっても今年のダークホース現副会長藤原七海の存在もあなどれない。自前の茶髪と青い目に、胸を射抜かれた女子生徒も多いはず。この男が城島、長谷川、堺の三人の間にどう食い込むか、が今年の見どころである。』
 西本は、そんな予想記事を、月一回発行される校内新聞『陵雲』一月号誌上に載せて、全校を煽っている。
 ネットの『陵雲』も同時公開されるので、こちらは実名ではなくイニシャルとはなっているものの、近隣の高校では知らぬものがない陵雲学園高等部生徒会の面々であるから、実際のところ不特定多数の目に晒されることにもなる。
「とにかく決戦前の気持ちを一言、お願いしますよ」
 執拗にあとをついてくる西本に、勝浩はふうっと大きく息を吐いて、振り返る。
「この学園の女の子の数、知ってるか? 三分の一に満たないんだ。なのに、そうやって煽るから、女子は競争でたくさんチョコを買うはめになるし、少ない女子から誰がもらえるか、男どもがこの時期になると地に足が着かない状態で、しかも、影では現金を賭けたりしているという噂まである。そういうことを新聞部員としてもう少し考えた方がいいんじゃないのか?」
「またまた、かたいこと言わないの。クリスマスや冬休みも終わって、学年末試験を控えたこの時期、勉強に追われて他に楽しいこともないわけさ。ちょっとした刺激が却って勉強意欲に結びつくって思わない?」
 西本は勝浩の断固とした発言にも怯むようすはない。
「クリスマスに冬休み、それだけあれば十分だと思うけど、それに受験シーズンに入っている三年生には、有り難迷惑なだけじゃないか?」
「いやいや、三年生だからこそってのもあるじゃん。ほら、卒業したらもう会えないわけだし」
 西本の言葉が一瞬勝浩の心を揺るがせる。
「……わかったよ。で、何を聞きたいんだ?」


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