月で逢おうよ 15

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 夕べから朝まで友達につきあわされて飲んでいたという検見崎は、冷蔵庫からウーロン茶を取り出すと、自分用に置いてあるマグカップに注いで一息に飲み干す。
 どうやらソファの後ろ、寒い時はビッグが寝ているクッションを枕に床の上に直に寝ていたので、勝浩も美利も気づかなかったのだ。
「で? 勝っちゃんは誰に片思いなのかな?」
 面倒な相手に聞かれたな、と勝浩は眉根を寄せる。
「そんなこと、あなたに言う必要ないでしょ」
「いやあ、実は美利ちゃん、多分勝っちゃん狙いだろうってわかってたんだ。ついにって思ったのにな。勝っちゃんがそんなつらい思いに心を痛めているとはつゆ知らず。誰にも言えない秘密の恋心なのねん! しかも不倫か?」
 勝浩は検見崎をきっと睨みつける。
「いや、茶化しているわけじゃないって。だってさ、話してしまうと心が軽くなる、…ってあるじゃん?」
 検見崎は、ん? と勝浩の顔を覗き込む。
「俺の知ってるやつ? ここの人間? まさか、垪和とか?」
 勝浩は首を横に振る。
「じゃあ、いいじゃん、話してみ? おにーさんが聞いてあげるから。君のつらい心のうちをさ」
 そうかもしれない。
 前に進むために、あの人への思いを封じ込めたはずなのに、いつまでたっても後ろを振り返ってしまう自分がいやだ。
 口にすることで、何かが変わるだろうか?
「面白い話じゃないですよ。高校の時の先輩で…」
「ほう?」


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