月で逢おうよ 25

back  next  top  Novels


 二十歳になってから、クラスの友人に誘われたり、研究会のみんなと飲む機会は何度もあって、勝浩も少しはたしなむようになっていたものの、結構酒が入ると眠くなってしまうようで、部屋で七海と飲んだりした時は気がつくと朝だったことがあった。
「あぶないなぁ、外ではあんまり飲まない方がいいぞ」
 ユウを散歩に連れて行ってくれた七海が戻ってきて、目を覚ました勝浩にコーヒーを出しながらそう言った。
「あぶないって、別に女の子じゃあるまいし」
「いんや、勝浩なんか、女にお持ち帰りってケースも考えられるしな」
「何だよ、それ!」
 勝浩はムッとしたが、駅を三つも電車を乗り過ごしたこともあり、外で酒を飲むときは気をつけるようにしていたのだ。
 だがしかし、突然現れた幸也に思った以上に精神的にパニクっていたらしい。
 検見崎に担がれて店を出た時、勝浩は全く意識がなかった。
「どんだけ飲ませたんだよ、俺の大事な勝っちゃんに」
 タクシーの中で検見崎は、勝浩を間に挟んで、幸也に突っかかる。
「何が俺の大事な勝っちゃんだ。いつの間にか俺の酒、飲んじまってたんだよ、間違えて」
「ちゃー、まったく、こいつ引っ張り出すのに苦労したんだぞ」
「るせーな、何でお前ついてくるんだよ、タケ。こいつは俺が送るって言っただろ」
「場所も知らないくせに」
「とっとと教えればいいだろうが。大体他のメンバー放り出してきていいのかよ」
「ぬかせ、お前こそ、ひかりたち放ってきて、いいのかよ。タクシー代はお前が払えよ」
「面白そうとかって、勝手にきたんだよ、あいつらは」
 押し問答をしているうちに、タクシーは目白台に着いた。
「へえ、ここに住んでいるのか。なかなかいいじゃん、庭も広くて」
 勝浩を肩に担いだ幸也が言った。
「ばーか、こりゃ、大家の家。勝っちゃんの部屋はそっちの離れ」
 検見崎は勝浩のポケットを探って、鍵を取り出してドアを開ける。
 途端、待ちかねたようにユウが駆け寄ってきた。
「おう、お前が噂のユウか」


back  next  top  Novels

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ