月で逢おうよ 34

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 慰労の意味で、犬や猫たちももちろん同伴だ。これだけはみんなが楽しみにしているようで、参加者がいつもよりぐんと増える。今回はたった一人の四年生、垪和の追い出しも兼ねている。なかなか厳しい就職戦線、内定をもらっているところは必ずしも意に添う企業ではないらしい。
 だが、訪問会を明日に控え、勝浩が打ち合わせにクラブハウスに行ってみると、垪和がため息をついていた。
「え、四人ですか?」
「そうなのよ。旅行とか、帰省とかでみんな行けないって。とにかく検見崎が行けないってのが一番困ったわ。勝浩くんじゃ頼りにならないってわけじゃないけど、ロクとかビッグのリクエストがあったのに、万が一、喧嘩でも始めたらまずいでしょ」
 犬や猫一頭につき、最低一人はつく、という規定を作っていて、施設を回るときは、万が一の事故に備えて全体をまとめる代表が一人は同行することになっている。
 今度訪問する予定の老人ホームは、二度目の訪問で、あらかじめ希望者を募り、既に犬三匹、猫二匹を選んでもらっている。参加希望者は十五人。犬や猫にもストレスを与えたくないので、最低でも六人は欲しいのだ。
「今回、ユウも入ってるんで、俺、ビッグ引き受けましょうか」
「うん、とりあえず、そうしてもらえるかな? 大杉は犬の扱い苦手だし、彼と美利ちゃんが猫、私がロクを引き受けるから」
 それでも心配そうな顔で、垪和はスケジュール帳を広げた。


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