月で逢おうよ 42

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 勝浩はポケットから銀のライターを取り出して差し出した。
「おう、俺んだ、サンキュ。でもどこにあった?」
 やはり、幸也のものだった。
「こないだ、酔っ払った俺、部屋に運んでくれたのって、長谷川さん?」
「あ………、いや、その、別に俺は何もしてないぜ! 誓って! あ、ほら、タケも一緒だったし」
 訳もなく焦りまくる幸也に、片方の眉をつりあげて勝浩は訝しげに見上げる。
「何、焦ってるんですか?」
「いや、別に」
 勝浩は首を傾げる。
 でも何だか、高校時代に戻ったみたいだ。
 またこうして少しでも長谷川さんと一緒にいられるなんて。
 彼がアメリカに留学した理由も、突然帰ってきた理由も、恋人のことも何もわからないけれど、一緒の時間をまた共有できていることが嬉しい。
 もしかするとまた、打ちのめされることがあるとしても。
 そしてそれがきっと遠くないということはわかっていたけれど。
 


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