月で逢おうよ 43

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   ACT 3

 さすがに空気が違っていた。
 山々の連なりにさえ、手が届きそうだ。
「ひゃっほうっ!!」
「ぜっけーだー!!」
 九月も終わりのよく晴れた日の早朝、『動物愛護研究会』の一行を乗せた数台の車は、八ヶ岳の麓にある検見崎の山荘に向かって、ひた走っているところだ。
 窓から顔や手を出して、ぎゃあぎゃあ喚く男どもと、デジカメや携帯であちこち撮りまくっている女の子たち。
 犬たちも少しだけ開いた窓から、鼻をつきだしてクンクンとうまい空気の匂いをかいでいるようだ。
「ようこそ、『動物愛護研究会』ご一行さま!」
 山小屋に着くと、先回りして準備を整えていた検見崎がラブやロクと一緒にみんなを出迎えた。
「それでは、『強化合宿』会場へと皆様をご案内しま~す!」
 垪和のマーチには美利と猫二匹。大杉がワゴン車で男四人と犬三匹、春山が女の子二人と男二人を乗せ、幸也は勝浩やユウ、ビッグと一緒に、酒や食料を大量に乗せてやってきた。
 総勢、十五人と九匹。
 みんな大騒ぎでそれぞれ割りあてられた部屋へ、トランクから出した荷物を運ぶ。もちろん犬や猫たちも忘れてはいない。


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