月で逢おうよ 49

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 勝浩が食堂に入っていくと、何人かが起きだしていて、朝食を取っていた。
「おはようございます」
 朝食はパンと卵や野菜のセルフサービス、のはずだが、ちゃっかり女の子にオムレツなんかを作ってもらっている男どももいる。
「おはよー、勝浩くん、夕べ大丈夫だった?」
 勝浩に気づいて美利が心配そうな顔を向けた。
「ああ、うん、美利ちゃん、強いなー」
「へへ。あ、作ったげよか? オムレツ」
「ねー、美利ちゃん、チャー子知らない? ごはんまだなのよ」
 キッチンに取って返そうとした美利を、階段を降りてきた垪和が呼んだ。
「え、さっきリビングの梁の上にいましたけど」
「あ、いいよ、美利ちゃん、俺、自分でやるから」
 勝浩は美利を促した。
「うん、ごめん」
 美利は少し名残惜しそうに垪和と一緒に猫を探しに行った。
 キッチンでフライパンを使い、勝浩がスクランブルエッグを作っていると、「んまそー」と肩越しに幸也の声が降ってきた。
「食べるんだったら、作りますけど」
 まったくもう、心臓に悪いんだよ、長谷川さん。
「う、嬉しい! 勝浩くんお手ずから作ってくれるスクランブルエッグなんて」
 大仰に感激ムード全開の幸也を、勝浩は呆れて見上げた。
「おだてたって、うまいかどうかわかりませんよ。じゃあ、長谷川さん、パンの用意してください」
「へいへい。じゃあ、ついでにコーヒーも用意しましょーかね」


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