月で逢おうよ 51

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 何だろう。そんな幸也の台詞に、勝浩は高校時代、やはり馴れ馴れしく近づいてきた時の幸也がオーバーラップして、いつの間にか勘繰ってしまう。
「一人暮らしするんですか? 通える範囲なのに」
 そんな思いを振り払うように、勝浩は努めて明るく問い返す。
 でも気軽に部屋に来いだなんて、言わないで欲しい。
「何だよお前、自分は一人暮らししているくせに」
 幸也はムキになって言い返す。
「俺は、できるだけ自立したいからです。長谷川さんとことは条件が違いますよ」
「俺だってバイトくらいするぞ。差別するなよ」
 幸也は苦笑いしながら、今度は拗ねた顔をする。
「どうかなー、何か違う目的があるんじゃないですか?」
「お前、いつまでも昔の俺と思うなよ」
 フン、とほくそ笑む幸也を見て勝浩は笑った。
「ちぇ、てんで信じてねーな、いくらでも証明してやるぜ」
 じゃあ、夕べは何で部屋に戻ってこなかったんだ、なんて、聞けるはずはないし。
「おい、幸也、てめー、うちの学生でもないくせに、ちったぁ遠慮ってもんがないのか? 勝っちゃんを独り占めしやがって」
 そこへラブやロクを訓練しながら遊ばせていた検見崎がやってきた。
「サークル活動に大学なんか関係ねーんだよ」
「そりゃあ、ひかりとかリリーとか、可愛い女の子の場合だ」
 軽いやりとりはむしろこの二人の親密さを物語っている。
 そういえば、検見崎さんと長谷川さん、どういう知り合いなんだろ。
 勝浩は二人を眺めながら漠然と思う。
「あいつら学生じゃねーだろ」
「だから、女の子ならいいの」
「少なくともしょっちゅう仕事でいなくなるタケより俺のが役に立つよな、勝浩」


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