月で逢おうよ 58

back  next  top  Novels


「大丈夫? 勝浩くん」
 あまり酒に強くないとわかったからか、美利がまた気遣ってくれる。
「ん、何か飲みたい気分なんだ」
 飲み干した赤いワインはただ渋いだけで、少しも美味しいとは思えなかったけれど。
 勝浩と入れ違いにベランダに出て行った検見崎は、手すりにもたれたまま座り込んでいる幸也を見つけた。
「何してんだよ、お前」
 呆れた顔で検見崎は幸也を見おろした。
「あああ…………」
 幸也は大仰なため息を吐いた。
「おい、どうしたんだ? この世の終わりみたいな顔して」
「……終わりだな……もう」
「おい、幸也、どうしたんだよ」
 さすがにあまり見たことのない幸也の体たらくに検見崎は首を傾げて、その横に座り込んだ。


back  next  top  Novels

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ