月で逢おうよ 59

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   ACT 4

 寒い、と感じて勝浩は目を覚ました。まだ夜は明けていないようだ。リビングの大時計は夜中の二時過ぎを示している。
 辺りを見回すと、美利も垪和も、隣のソファで眠りこけている。大杉や春山たちも死屍累々といったありさまだ。かろうじて部屋に戻った者も、まずベッドに突っ伏しているだけだろう。
 勝浩もまた、ついやけになって飲んでしまい、ソファでしばらく眠り込んでいたようだ。
「何か、飲みすぎで頭がバカになりそう」
 勝浩は思わず呟いた。
 それでも、飲んで何も考えたくなかったのだ。
 重い足を引きずるように、階段をゆっくりあがっていく。
 と、ぼそぼそと何か人の争うような声が聞こえてくる。
 小首を傾げながら、勝浩はあがっていった。
「なんだよ、じゃ、何も進展してないんじゃん」
 検見崎の声だ。
 聞くつもりはなくても耳に入ってくる。
「だいたい、そうならそうと、俺に、最初から言えよな、姑息な手を使わずに。自分で勝っちゃんと部屋を一緒にしろ、とか言っといて、不満そうな顔してるから、何かクサいと思ってたんだが」
 一緒の部屋って、何? 俺のこと?


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