月で逢おうよ 62

back  next  top  Novels


 勝浩のあとを追って階段を駆け下りてきた幸也と検見崎は、その騒ぎにソファで目を覚ました垪和に見咎められる。
「どうかしたの?」
「あ、悪い、いや、ちょっと、勝っちゃんが酔っ払っちゃって。いいから、寝てて、垪和」
 検見崎は適当な言い訳をして、玄関に常備してあるライトを掴むと、先に飛び出した幸也に続いて外に出た。
「おい、勝っちゃん、いたか?!」
 サイクリングロードと林に入る細い道が交差するあたりで、検見崎は幸也に追いついた。
「見失った。俺、こっち行くから、お前、そっち頼む」
「ちょお、待て!」
 検見崎は走り出そうとする幸也の腕を掴む。
「何だよ?!」
「いつだったか、お前、勝っちゃんに嫌われてるって言ってたな?」
 焦りまくる幸也を制して、検見崎が問いただす。
「ああ、言ったさ、それがどうしたよ? 勝浩探すんだろ!」
「待てって。まあ深くは考えずに、お前のステーションワゴンと引き換えに、俺は勝っちゃんの情報を時々お前に流していたが。勝っちゃんにはお前の従兄弟だってことを知られるなっていうから、黙ってた。だから余計ごちゃごちゃになったんだ」
「だから、なんだって?」
 イライラしながら、幸也は聞き返す。
「いや、まさかほんとに、マジだとは思わなかったが」
「だから、マジだって言ってっだろ? あいつ、さっきの聞いて、勘違いして」
 幸也は声を上げた。
「お前がだましたってな。前科があるからだろ」
「……そうだよ!」


back  next  top  Novels

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ