月で逢おうよ 69

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 幸也は声を張り上げる。
「よく似ててもそこが違うんですね」
「言ってくれるじゃねーか。とにかく、俺はあっちにいて、お前の代わりを探したよ。だけどどいつもこいつもやっぱ、お前じゃなかった。そんな時、タケから、お前を狙ってるらしい女の子がいるって聞いて、いてもたってもいられずに、舞い戻ってきたんだよ」
 煙草をくわえてはまたはずし、幸也は落ち着きなくそれを指の中でもてあそぶ。
「あの時、久しぶりに飲み会で会った時も、お前見てすぐにも抱きつきたいくらいだったけど、さり気に近づいた方がいいって思って。な、少しは信じてくれよ」
 懇願するように幸也は勝浩を見た。
「ひかりさんだっているくせに」
「バカ、あいつはガキの頃からのダチで、その、俺のことよく知ってるから」
「ひかりさんもグルなんですか?」
 すかさず勝浩は切り返す。
 幸也は隣のベッドに座り、頭をかきむしった。
「ひかりは関係ねーって! 一体どうしたら、信じてくれるんだよ? しろってんなら、土下座でもなんでもするさ」
「やめてください。いい男が台無しですよ。眠った方がいい。朝になったらくだらないことは忘れてるかもしれないし」
 幸也の話をさらりと流して、ベッドにもぐりこもうとする勝浩の腕を幸也は再び掴む。
「ああ、そうかよ! 言葉で信じないんなら体でわからせてやるさ」
 いきなり毛布をはいで襲いかかってくる幸也に驚いて、勝浩は抵抗する。
「バカなこと! あんた、何やってんのか、自分でわかってんの」
「わかってるさ。夕べだって、一緒にいたら襲っちまいそうだったから、リビングで寝たんだ」
「え……」


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