月で逢おうよ 72

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 高校時代七海と付き合っていたこともあったはずだが、おそらくそんな深いつきあいではなかったのだ。
「や……! ちょ、それやめてくださいってばっ!」
 首筋から背中、腰へと滑らかな肌を指で味わうように触れながら、幸也が勝浩の中心に顔をうずめ、しかも唇に含まれたことに驚いた勝浩は幸也の頭を退かせようと足掻くが、腰をガッシリ押さえつけられていてジタバタしているうちに簡単に追い上げられてしまった。
 狼狽えながら勝浩は幸也が糸を引いている口元を手の甲で拭うのを見て、恥ずかしさにカッと頭が沸騰しそうになる。
「可愛い……勝浩……」
 熱を持った囁きは少し掠れていて、余計に勝浩の心臓を震わせた。再び抱きしめられると、幸也の舌と唇が勝浩の身体中を這いまわり、時折指は弄ぶように動いて勝浩の肌をざわつかせ、さらに未知の甘ったるい感覚を呼び起こしていく。
「え……やっ!」
 与えられる刺激に惑わされている間に勝浩の身体は俯せにされ、幸也の指が身体の奥へと潜り込んできた時は何か液体らしきものの冷たさとともに幸也が何をしようとしているのかがわかって、勝浩は声を上げて身体を仰け反らす。
「こら、逃げんじゃねぇ」
 身体が勝手に逃れようとしているのを幸也の腕に引き戻される。
「だって、なに…すんですかっ!」
「何って、何しきゃねぇだろ」
 俄かに尻に当たったものに心当たりがあり過ぎて、勝浩は「わあっ! 無理ですからっ! そんなの、絶対入らない……っ!」と精一杯に喚く。
「いくら何でも、色気なさ過ぎじゃね? せっかくいい調子になってきたってのに」
 口は滑らかだが幸也の身体の方はとっくに切羽詰まっていて、ぐいと勝浩の中に押し入った。
 あまりの強烈な刺激は痛みとも何ともつかず勝浩の言葉さえ奪う。
「もちょと……力抜け…な……頼むから……俺ぁ、お前と一つになりてぇんだ………」


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