月で逢おうよ 75

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 それでも、視線を合わせようとしない勝浩の首は真っ赤に染まっている。
「俺も行く! 五分、待ってろ」
 慌ててシャワーを浴びた幸也は、Tシャツにハーフパンツを履くと、ユウを伴い、勝浩と一緒に部屋を出た。
 それからがまたいけなかった。
「おっはよ! 勝っちゃん」
 まず検見崎だ。
「仲良くお散歩っつーことは、幸也、夕べはうまくいったわけね」
 にやにや笑う検見崎に、「おかげさまで」などとぬけぬけと幸也が答える。
「ああ、勝っちゃんがこんなインランなタラシに食われちまったなんてなー」
「ちょ、人聞きの悪いこと言わないで下さい」
 反論するものの勝浩の顔は既に熱い。
「もうこんなやつの肩持っちゃって、嘆かわしい」
 検見崎は勝浩の肩に腕を乗せ、大げさに泣き真似をする。
「違いますってば」
「こらこら、気安いぞ! タケ。離れろ、俺の勝浩から」
 幸也が大きな声で検見崎ともめるものだから、奥の部屋から出てきたひかりとリリーにもしっかり聞かれてしまう。
「あら、ようやく決めたのね、幸也。かわいい勝浩をさらわれないように気をつけなさいよ。タケとかあぶなそー」
 勝浩は怒りと羞恥に真っ赤になってその場から逃げ出した。
「おい、勝浩、待てってば」


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